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リードや首輪の選択や製作の一助として頂ければ(国民生活センターの報道発表から)

柳瀬製作所は長年ペット用チェーン類を製作してきているという経緯からでしょう、かなり以前から“ペット経営”というペット関連向けの月刊誌(業界誌)を購読しています。
この雑誌は東京都杉並区の野生社という会社が発行しているのですが、残念ながら普通の書店には置かれていません。
その7月号を読んでいた所、トッピックスのページでこんなタイトルの記事を見つけました。

『国民生活センター リードの強度について調査を実施』

記事によりますと、環境省が発表した「2007年度に起こった犬による咬傷事故」5500件中、約25%の1379件が犬を係留して運動中に発生していた事と、犬用リードの品質や表示に関する相談が、全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO-NET)に2004年以降5年間で28件寄せられており、そのうちリードの破断事例が15件、うち、リード破断が原因の危害事例が5件あったとの事でした。
それらの事例を踏まえ、国民生活センターは市販の様々なリードに関して強度を調べると共に、各商品の強度に関する表示内容を調査し、4/28にその結果を発表したと言うものでした。

神奈川県相模原市近郊のペットショップや100円ショップで購入したリードとインターネット通販で購入可能なリード合計18銘柄について調査が行なわれたそうです。
その結果を要約しますと、適用体重10kg以下の商品の場合、フレキシリードのようなロープ長さを調整できるリール型の場合では破断するまでの最大荷重は34.7kgfから124.3kgfとかなりの商品差が見られました。
一方、ロープ型の場合には101.0kgfから168.3kgfと最大荷重は高めで、製品差もリール型に比べると割合小さかったようです。
適応体重20kgf以下の商品の場合、リール型では100.0kgfから165kgfと最大荷重はUPしました。一方、ロープ型の場合には29.8kgfから200以上(=測定範囲内では壊れなかった)と、ばらつき幅が一気にUPし、適応体重10kg以下の商品を下回るものも出て来ました。

この結果から見る限り、10kg以下のワンちゃんにも、可能であれば、強度に余裕のある適応体重の大きい方の商品を使用するのが賢明だと言う事になりました。

また、取扱説明書やタグへの注意書きは各社でまちまちの状態だったとの事でした。ほつれや形状変化が無いかこまめに観察し、見つかった時点で新しい商品に買い換えるといった、自主的な行動を忘れないようにしたいものです。

今回は、商品調査と共に、様々な犬種20頭について、ワンちゃんの最大の引っ張り力調査も行なわれたそうです。

その結果、体重10kgクラスのワンちゃんの場合、最大25.3kgfの引っ張り力のワンちゃんが、体重20kgクラスのワンちゃんの場合、最大27.9kgfの引っ張り力のワンちゃんがいたそうです。

犬種と言うよりも個体差(個性)が原因する部分も大きいとは思いますが、体重以上の引っ張り強さを持つワンちゃんがいる事が今回明らかにされました。
体重10kg以下のワンコでは、コーギー、柴犬、ジャックラッセルテリアが体重の2倍前後の引っ張り力を示しましたし、体重20kg以下のワンコではエアデールテリアが2倍の引っ張り力を示しました。

過去に頂いたお客様方からのご相談から、弊社でも他の犬種に比べてコーギーの引っ張り力が強いことは知っておりましたが、今回はそれが数値的に実証される事になりました。
コーギーの次によく伺ったジャックラッセルテリアの引っ張り強さについてもやはり本当だったようです。

弊社でご提供させて頂いているナスカンやパーツ類の強度は今回発表されたワンちゃんの最大引張力よりも大きいものばかりでしたが、使用に伴う磨耗や経年変化により、強度は低下してきますので、やはり使用前にチェックして頂けると安全かと思います。

国民生活センターの発表ではリードのナスカン部分が壊れてしまったものとリードの縫い目から千切れてしまった場合の2通りの壊れ方になりました。
手作りされる場合にはナスカンに近い部分の縫い付けをしっかりして頂ければと思います。

また今回の調査は、ワイヤーやロープタイプのリードでしたが、市場には平紐やテープ状の商品も多数見られます。
ロープよりも厚みが薄い商品ですので、これらを選ばれる場合(もしくはお作りになられる場合)には、ナスカンに近い部分の縫い付けをしっかりすると共に、別種類の生地を張り合わせたり、リードに沿って縁部分も縫い付けておくなどの補強対策を十分にとられると良いかと思います。

今回の国民生活センターによる発表記事は以下のページで見る事が可能ですし、調査した商品、メーカー名や最大引張力調査を行なった犬種や結果が記載された報告書はPDFファイルの形でダウンロード出来るようになっていましたので、興味を持たれた方は是非一度ご覧になってみて下さい。

国民生活センター発表 犬用リードの強度について

私共にとっても十分参考となる記事でした。皆様も上手くご活用下さいね。

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