ペット用品と一般用チェーン・鎖の製造メーカーです。
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武術道具(万力鎖)用のチェーンを製作させて頂きました

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柳瀬製作所のチェーンはペット用や装飾(吊り下げ)用、ウォレットチェーンのようなアクセサリー的な用途としてご使用頂く事が多いのですが、今回は、それらとは少し変わった内容のお問合せでした。

『御社ではステンレスの鎖は、規格外の物は作れるのでしょうか?
小判型の楕円の物とか。。。』

どのようなチェーンをご希望なのか具体的な検討内容をお伺いしたところ、詳しいお返事を頂きました。

楕円型のチェーンを希望で、チェーンの内寸は18mm×10mm、この楕円のリングが30個が繋がったものとの事です。
ご希望のチェーンのイメージ図

『今までは鉄で作ってまして、鍛治屋さんに頼んでました。
ですが時代の流れで鍛治屋さんが店じまいが多くて新しくできる場所探しをしてます。

本来は鉄で、繋ぎ目を酸素溶接?・・・電気溶接ではないバーナーで炙って鉄を溶かして繋ぐやり方でした。
今回ステンレスで演武用を作ろうと思いましてメールをさせていただいた次第です。』

鍛冶屋さんは、きっとアセチレンガスやプロパンガスを用いたガス溶接法で作っておられたのでしょうね。

鍛冶屋さんだけでなく、鋳物工場や部品加工工場など、モノづくりに必要な部品の製作を担ってくれている工場や業種がどんどん姿を消していっています。
私共でも、作ったり販売したり出来なくなってしまったものが幾つもあり、寂しく、お問い合わせ頂いたお客様に対して申し訳ない気持ちで一杯です。

『小ロットなので手曲げでできるかな?』と、ご自身で熱曲げでやってみられたそうでしたが、線径の都合で出来なかったそうです。
1本の線材を加熱曲げしながら、手作業で切り口部分までピッタリと合わせるのは、非常に難しいと思います。

ご希望のサイズに近い形で試作し、写真をお送りしてイメージ通りか確認して頂きました。
試作したステンレス製楕円鎖

弊社でも手作業による加工作業となります為、コマ毎に若干の誤差が出る点をご了承願いました。

『試作のお写真を拝見しました。
完璧です!やはり専門家が一番ですね!』

イメージ通りだったようで安心致しました。

追加で、この30コマの鎖の両サイドにチェーンと同一線径で内径18mmの丸リング(溶接なし)を付ける場合と、チェーンと丸カンに加え、ご自身で用意された分銅を両サイドの丸リングに通して丸カン部分の溶接もして完成品する場合でのお見積りも頂きました。

ステンレス製と共に鉄製での製作も可能かのご質問もありました。

結果、分銅をお送り頂き、ステンレス製チェーンと繋いで完成させる形でご依頼を頂く事に。
(使用する丸カンの内径は弊社の都合で、約17mmを使用する形でご了承頂きました)

参考にと、現在お使いの鉄製の武術道具のお写真をお送り下さいました。
ご使用中の鉄製万力鎖の全体像ご使用中の万力鎖と分銅部分

黒鉄色の道具ですね。

『鉄の方ですが、メッキ無し希望です。
完成後も錆びていても何も問題ありません。
一度の練習で錆が摩擦で完全に無くなりますから・・・』とのコメントの意味が良く分かりました。
ご使用中の万力鎖の鎖部分

チェーンの溶接面について一点、ご質問とご依頼がございました。

『なるべく避けていただきたいのが、ヒケが起きる状態です。』
溶接面が細くなっていたり凹んでしまっている状態の事だと思います。

『刀とかを受け流す事もある武道具なので、江戸時代の鎖も沸かし付けで繋ぎ目を消してました。』

『溶接の箇所が盛り上がる状態なら問題ないです。盛り上がってしまっていたら、私がヤスリなどで削ることができますから。
ヒケがあると削っての修正ができないので。』

切り口はピッタリ合う形で作っているのでかなり長く溶かし続けない限り、溶接面が大きく落ち込むことはありません。
刀の当たる可能性がある、上部と両側面については凹みや切れ目が出ないように注意して溶接するようにしました。

直ぐにサンプルを製作し、溶接面の状況などを確認して頂く事にしました。

『サイズも完璧ですし、溶接箇所もこれなら後からヤスリで修正できます!
発注の時は横目でお願いします。
縦目ですと練習での磨耗で耐えられないのです。』

溶接面(切り口部分)は、マンテルチェーンのようにチェーン同士が接触する部分ではなく、楕円リングの側面側(長い方側)をご希望という意味ですね。
溶接面が横目になるように製作する事は・・・大丈夫、可能です。

分銅完成に少々時間が掛かり、ご依頼をお受けしてから数か月後に弊社に到着しました。

到着した分銅がこちら。

送られたステンレス製分銅

ステンレスを溶かして砂型に入れて作ったのではなく、ステンレスの塊を削って作ったようですね。

ステンレス製分銅のアップ2

送られたST製分銅の表面アップ

今回ご依頼頂いたものがどんな事に使われているかの説明にと、動画サイトをお教え下さいました。

『古いTVの動画ですが、出ている流派の武道具です。』とのこと。
『古い動画ですので、さすがに私は出てません。』と付け加えてありました。
ブラウン管テレビ時代の解像度に合わせて撮られた映像のようです。確かに古い感じです。

分銅付き鎖は接近戦用で、手首に絡める形で、関節技的に相手を制圧する使用方法なのですね。
(巻きつけるだけで手の皮が擦り剥ける位の威力があるとは)

<正木流>という流派で、今回ご依頼を受けた分銅付き鎖は“万力鎖”という名前の武術道具だという事が分かりました。

お送り頂いた分銅を両端に付けて完成させたのがこの作品です。

完成したステンレス製万力鎖

映像やお写真で見た黒鉄色とは異なる銀色はなかなか格好良さそう。

刀の刃の色合いとも遜色ないような気がします。(自画自賛ですが)

今回製作させて頂いたチェーンの内容は以下の通りです

特注楕円チョークチェーン(分銅付き) 30コマ M-4017 ¥14,190(2021年春時点での税込み価格です。送料が別途掛かって参ります)

発送後すぐにお返事を頂きました。

『本日、無事に届きました!
予想以上の仕上がりに感動しております!!!

試しに外で練習してみましたが、鎖同士の引っ掛かりもなく完璧でした!有り難う御座います!

分銅の形状違いを手配するので、再度発注になると思います。宜しくお願い致します。』

<演武用>と伺っていましたので、ドキドキしていましたが、練習では大丈夫だったとのお返事に安心致しました。

正木流の万力鎖による格闘術が登場するテレビ映像を2点ご紹介下さいました。

まずは時代劇!「伝七捕物帖」で 主役の中村梅之助さんによるものです。
この当時、中村梅之助さんが道場まで習いに来られ、TVに出られたそうでした。

番組のオープニングの映像で、最初の方に万力鎖が出てきます。
本編での捕物シーンでも鎖が使われていた記憶がございますが、正木流の鎖術だったのですね。

 
ここでは格闘シーン中で一瞬だけ出てきます。

万力鎖の歴史についても簡単に教えて頂きました。
元は岐阜県の大垣藩の流派で、江戸城の守護を命じられた際に刀の代わりの武器として生まれたそうです。
(江戸城内は帯刀できませんでしたので。)

江戸城内での守衛の為に必要とされて生まれた道具と武術だったのですね。

今回のご依頼や情報を頂くまでは、琉球生まれのヌンチャクや忍者が使う鎖系の武器に類した、近年に近い時期からの格闘技の中での道具を使った技の一つとしてのイメージだったのですが、江戸時代から続く歴史のある流派と道具だったのですね。
大変失礼致しました。

歴史のある武術道具に、新しい材質を取り込むお手伝いが出来、鎖メーカーとしては嬉しい限りです。

次回も、ご希望にお応え出来るよう頑張ってチェーンを製作させて頂きます。

有難うございました。

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