はちどりのひとしずく　自分に出来る事を実践されるお客様

《はちどりのひとしずく》というお話（絵本）があります。

＜“小さな力の大切さ”を教えてくれる南米アンデスの古くて新しいお話＞という触れ込みで静かな話題となったお話です。

今も本屋さんに行けば売られているかと思います。

このお話で伝えようとするメッセージは、ラストでハチドリが語る『私は私に出来る事をしているだけ』と言うセリフに集約されているのは間違いありません。

『私は私に出来る事をしているだけ』・・・、このフレーズを頭の中で繰り返しているうち、私共にお問い合わせ頂いたお客様でこんな方がいらっしゃったことを思い出しました。

以下がその時頂いたメールです。

初めまして。
 
○○県△△市のNと申します。

 首輪用のＤカン・ナスカン・ハーフチョークチェーンについてですが、ステンレスで、10mm/15mm/20mm/25mm/30mmの平紐が通る物が欲しいのですがお値段は一つおいくらになるのでしょうか？
 また、50個単位、100個単位になるとお安くなったりしますか？

 実は○○県は犬猫の処分率全国ワースト１位という事実を知りショックを受け、最近以前から飼っているワンコの他に雑種の推定年齢３才の犬を引き取った事がきっかけで、犬の名前と連絡先を刺繍した首輪を作り始めた所なのです。
 悲しいかな我が○○県民の犬猫に対する知識が乏しく、未だに雑種は強いからフィラリアにもかからないと信じている人が多いのです。
ボランティア団体も処分される子が少しでも減るように頑張っているので、私もせめて迷子犬が少しでも減ると良いなと思い始めました。

乱文で申し訳ありませんが、ご回答宜しくお願い致します。 N

県名や飼っていらっしゃるワンコの種類、お名前につきましては伏せさせて頂きました。

お住まいになられている県の犬猫が置かれている現状を知った時、この方はその事を真剣に受け止め、自分に出来ることは何かを一生懸命考えられたのだと思います。
その結果が、雑種のワンコを引き取る行為であり、『私もせめて迷子犬が少しでも減ると良いなと思い』始められた《犬の名前と連絡先を刺繍した首輪》作りだったのでしょう。

また、その後頂いたメールの中にはこんなコメントがありました。

『現在ドッググッズのお店と動物病院にもカタログを置いて貰っているのですが、そういう所に行かないような人にこそ注文していただきたいのでクリーニング店にもカタログを置いて貰っています。』

そうですね。“昔ながらの家族的”な感覚でワンコを飼っていらっしゃる方の場合には、ドッググッズのお店のような専門性の高いお店や動物病院には、そう度々は行かれないかと思います。
それよりもクリーニング店のほうが、訪れる回数も多いでしょうし、クリーニング品の受け取りを待つ間の時間に手に取って見てもらえる可能性も十分考えられます。
ましてや、お店の“看板ワンコ”がその首輪をつけていたりなぞすれば、“より実感も湧く”というものです。

大昔ならともかく、今の街の環境で“迷子犬”になった場合の危険性は計り知れません。

交通量もそうですし、ワンコに接する人々も様々です。必ずしもワンコ好きの良い人ばかりではありませんし、ワンコだって不安のあまりカプッと噛み付いてしまう事も考えられます。
今は首輪がついていても保健所に連れて行かれてしまう時代です。そこで飼い主からの問い合わせが無ければ1週間程度で天国へ送られてしまいます。

首輪に名前と連絡先が刺繍してあれば、かなりの確率で連絡が受けられることでしょう。

先日、完成品の写真を送って頂きました。

綺麗で立派な作品に仕上がっていて、ステンレス製ハーフチョークチェーンやDカンをご注文頂いた私共も非常に嬉しく感じました。

名前や連絡先は1件ずつ異なりますので、１つ１つが手作りとなり、製作自体は大変なようですが、同時に、生き生きと活動されていらっしゃるご様子がメールから伝わってきました。

『私は私に出来る事をしているだけ』・・・

工場として、そして個人として、“出来得る精一杯の事がし切れていない”ことを気付かされると共に、“自分が精一杯すべき”ことを改めて考える機会にもなりました。

皆さんは如何でしょうか？