柳瀬製作所では、ペット用チェーンや金具類については、ステンレス製を基本にしています。
以前は、鉄製や真鍮製など別の金属素材でもペット用チェーン類を製作していました。
5/28に掲載した記事の中で少し触れましたが、お客様から<アルミ製のチェーン製作>についてお問い合わせを頂きました。
現在、柳瀬製作所ではアルミ製チェーンの製作を行っておりません。
同業メーカーでも多数がアルミ製チェーン製作から撤退している状況です。
2000年代中頃、様々な金属の価格が大きく上昇し、国内製造だと採算が全く合わなくなりました。
それを機に鉄製やステンレス製以外の金属製チェーンの製造を終了、もしくは外国製品の輸入販売に切り替わっていきました。
業務上お付き合いのある姫路のメーカーさんが、ペット用としてアルミ製の係留用チェーンを“つよかるチェーン”という名前で製造・販売を続けておられましたが、こちらも2015年9月をもって製造と販売を終了されました。
軽さを重視(鉄やステンレス製の約1/3)した商品で、製品強度の面では、プラスチック製チェーンと比較して強い(約10倍)というものでした。
材質で比較すると、アルミ合金(アルミ製チェーンの材料として使われるA5052という材質)では、引っ張り強度はステンレスの4割未満、材料硬さは24%から50%程度の範囲となっています。
地面との擦れや、急な引っ張り、繰り返される引っ張りが起きる係留チェーン用としては、アルミ合金は<軽さ>以外では不利な材質だと思います。
また、チェーン自体にはアルミ製が存在するのですが、ナスカンや回転カンといった係留用チェーン製作に必要な金具類はステンレス製や鉄もしくは鉄鋳物製となります。
これら金具類の重さはステンレス製や鉄製の係留用チェーンのものと変わりません。
結果、純粋にチェーン部分の重さだけがアルミ製で軽くなるという事になります。
折角なので、アルミ製チェーンの係留用チェーンへのご興味が強い方への参考になればと思い、ちょっと調べてみました。
“つよかるドッグチェーン” で検索して頂けると、今も販売しているお店やヤフオクの情報などがヒットしてくるようです。(2019年5月末の時点での状況です)
ちなみに全長は1.8mでした。 線径3mmだと<30> 3.5mmだと<35> 4mmだと<40> 5mmだと<50> といった名前のつけ方のようです。
チェーン形状は2種類あり、リンクタイプが<S>、マンテルタイプ(リンクにひねりを加えたツイストタイプに見えます)が<T>と表記されていたようです。
現在では廃番品扱いなので、価格も比較的安くなっているかと思われます。
アルミ製係留用チェーンでの係留をご検討される場合には、これらで実際の使い勝手をお試し頂くのも一つなのかと思います。
この情報が何かのお手伝いとなれば幸いです。