10月も半ばを過ぎ、日中も過ごし易くなってきました。早朝や夜間のお散歩はちょっと肌寒く感じるくらいです。
寒暖の差が大きくなると葉っぱは色づき始め、秋の作物は実りを早めますが、空気中の水蒸気は冷やされる為に、地面には露が降りやすくなってきます。
葉っぱについた露は朝日を浴びてキラキラ輝きとても綺麗なのですが、お散歩でそこを通るとなると、靴もワンコの足回りも濡れてしまい後のお手入れがちょっと大変。
それだけならまだよいのですが、この時期は、発生した露があるものの生育を促してしまう原因にもなるのです。
それが“キノコ”です。
春は山菜採り、秋はキノコ狩りといった具合で、キノコは秋の味覚のひとつとなっています。
この記事をお読みの方の中にもご自身やお身内の方が里山へキノコを採りに行かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ただ、日本で生えるキノコの全部が“食べられる”ものであればよいのですが、さにあらず。
日本では約2500種(主にきのこ狩りの対象とされるマツタケやシイタケの仲間のハラタケ類に限れば約1500種)のきのこが確認されています。
このうち食べると中毒を起こし、時には死に至ることもある毒きのこの種類は200種以上あると考えられています。
お客様のワンコの中には野山を散歩するのが大好きなワンちゃんもいますのでこの時期は特にキノコの誤食に気をつけてお散歩させて頂きたいと思います。
「うちは山に連れて行かないから大丈夫」と安心しておられる方は、逆に要注意です。
キノコは山にだけ生えるものではありません。
生育条件さえ整えば、公園やお庭、田畑の片隅といった場所にも生えてきてしまいます。
たとえばこのキノコ。
我が家のワンコの散歩コースに隣接する青少年用の活動施設のグランドの片隅に点々と生えてきていました。
キノコが生え出してから2-3日で、大きなものだとかさの直径が10cmを超える位にまで成長し、5-6日程度で枯れてしまいます。
基本的に白色がベースで、成長に伴いかさの表面がお菓子の歌舞伎揚げのような感じにでこぼこして薄茶色い色もついてきます。
毒々しい色合いではなかったので、以前見かけたときに写真にとってFacebookにアップしたところ、「食べちゃダメ!」とのコメントを頂きました。
多分毒キノコのだろうという認識だけは持ったのですがそれ以上のことは分からないまま。
そしてこの春、たまたま出掛けた大阪市立自然史博物館の展示品の中でこのキノコが紹介されていました。
オオシロカラカサタケという名前のキノコで、近年では公園や学校などで普通に見られるようになったキノコだそうです。
“食べると激しく中毒する。内臓からの出血を引き起こす成分もあるようだ。”との説明が添えられていました。
道路とは金網で仕切られているのでワンコがそこへ入っていくことはなく、幸いにも誤食を起こすことは無かったので良かったのですが。
“普通に見られる”ようになったという点がやはり問題です。キノコは胞子を飛ばして広がって行きますので、グランド以外の場所でも生育条件さえ整えば生えてくる可能性があるということです。
長年慣れ親しんでいるワンコの散歩コースを変更するのはちょっと難しいので、キノコが生えやすいこの時期は毎回周りに目を配りながらお散歩をさせるようにしています。
このオオシロカラカサタケ以外にも、散歩コースの公園内の枯れ木には別の種類のキノコが生えていましたし、銀杏の実も転がり始めていました。
キノコや銀杏は、基本的に食べなければ実害はありませんので、ワンちゃんのお散歩時には是非飼い主さんが気をつけてあげてください。
(特にノーリードで自由にさせることは避けて下さいね。)
キノコに関するサイトとペットに危険な食べ物リストのサイトがありましたのでよければ参考にしてみてください。
よく聞くキノコの見極め方法、殆どが間違いのようですのでお気をつけ下さいね。