2月も中旬になりました。
今回は長年、弊社のステンレス製係留用チェーンをお使いの方からお問い合わせを頂きました。
2013年にアイスナップタイプのステンレス製係留用チェーンをご注文頂き、3年後の2016年にその係留用チェーンのチェックとお直し加工をお受け致しました。
この時は、ワンちゃんを繋ぐアイスナップナスカン部分と共にそこから回転カンまでの間のチェーンを交換する作業を行いました。
それからさらに3年が過ぎた今回、再びお問い合わせを頂きました。
『そろそろチェーンの摩擦が気になります。メンテナンス及び修理をお願いしたいのですが、発送時期等の連絡をお待ちしております。
前回同様前方側が磨り減りが酷いです。急いだ事ではございませんのでよろしくお願い致します。』
それから数日して係留用チェーンが送られてきました。
直ぐに状況をチェックしてみます。
まずは全体を確認させて頂きました。
ナスカン部分は下部リング部分に若干の細身を感じますが、ぐらつきなどなく、使用する上では問題なさそうです。
チェーン部分に目を移しますと、擦り減りの進行が良く分かります。
回転カン部分もかなり厚みがなくなってきています。
チェーンも擦り減りで輪が大きくなってきている分、捻じれた時に団子状態になりやすい傾向が見られます。
もう少し細くなってくると、捻じれた際にチェーン同士が噛み合ってしまう症状が出てくるかと思います。
さらに詳しく調べてみます。
チェーン部分については、チェーンの厚みは最大で3mmから2mmにまで擦り減っていました。
特に擦り減っているのは、ワンちゃん側からみて、チェーンが地面についた部分から後方に掛けて約半分位までの区間で、概ね2mm程度にまで厚みが減っていました。
また、回転カン(スイベル)を挟んで後ろ側部分についても、スイベル付近から後方に掛けての半分くらいの区間までで、こちらもチェーンの厚みが最大で2.1mmにまで擦り減っていました。
前回は厚みが2.5mm程度にまで擦り減っている箇所がありましたので、この3年間でさらに0.4mm擦り減ったことになります。
6年間で1mm弱の擦り減り、回転カンよりも後ろ部分のチェーンについては、なかなかの好成績のようです。
スイベル自体も厚みが13mmから11mmにまで擦り減ってしまっていました。
チェーン自体が擦り減ってきてしまっているため、 チェーンに捻じれが溜まってくると、チェーン同士が挟まって絡まりやすくなり、すぐに団子やコブ状になってしまいます。
こうなるとチェーン同士ががっちり噛み合ってしまい、外すのに大変苦労します。
今回はこの部分にも触れた上で、利用可能なパーツ類を再利用する形で、係留用チェーンを作り直す方法をご提案させて頂きました。
すると、『先日コブ状にもつれて大変だったのです!
ハンマーで少しづつ叩いていたら緩みました!実はその時磨り減りに驚いた訳です!!
安全性を考えて全て新調する方向でお願いしたいです!』とのお返事が返って参りました。
やはりチェーンが絡まってコブが発生してくる状況だったようです。
ご希望に添って、今回はパーツ類も含め全てを新調してステンレス製係留用チェーンをお作りさせて頂く事になりました。
STGMK-3.0SW×3m T-M STPPN-Lナスカン使用 ¥11,400(消費税・送料別 2020年初春時点での価格です)
先にお送り頂いた係留用チェーンも、パーツ類を含めて、限定的になりますが、使用可能な商品ですので、完成品に同梱して発送させて頂きました。
今までご使用頂いていた係留用チェーンを継続して安全にお使い頂くため、次のようなコメントをお送りさせて頂きました。
切れるまでにはもう少し余裕がありますが、細くなった分、チェーンが団子になりやすい状態になってきています。
ホームセンターなどでビニールチューブを購入頂き、お魚のお腹を開く時のように、縦ににスッと切り込みを入れていき、その切れ込みからチェーンを入れてチェーンをチューブで包む状態にして、ビニールテープでチューブを丁寧に巻いていって頂けますと、チューブで補強されたチェーンが完成します。
チューブで包まれてしまった分、今までの様な自由なチェーンの動きは出来なくなってしまいますが、市販の係留用ワイヤーと比較しますとずっと滑らかに動きますし、折れ曲がり癖が付く事もありません。
長い距離がとれる場所でご使用頂けると、比較的ワンちゃんに苦が無いかと思います。
ナスカン下から、チェーンが確実に地面につく程度の長さ部分までについては、チューブで包まないようにしてあげられますと、チューブの弾力に伴う首への負荷が掛らずワンちゃんが楽かと思います。」
旧来品と新調した係留用チェーンを、係留場所に合わせて上手に使い分け、ワンちゃんの運動出来るエリアをを増やして頂ければ私共も嬉しいです。
有難うございました。
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